今日は、前回の中学の定期テストの勉強をスタートする前にやること、の続きです。
前回は、試験範囲表をよく読むという話で終わってしまいまいしたが、その次は計画です。
計画には大きく2つあって、時間的計画と内容の計画です。
まずは時間的計画。
中学生になったばかりの頃、いったいどれぐらいの時間を定期テスト勉強にあてたらいいのかよくわからなかったのですが、ネットで色々読むとなんとなく40時間ぐらいが目安だなと感じました。
定期テストの2週間前から勉強をスタートすると、平日2時間×10日間、休日5時間×4日間で、ちょうど40時間です。
目安の時間が出たので、次は、実際にその時間が捻出できるかを考えました。
私はExcelでバーチカルタイプの簡単なスケジュール表を作りました。縦に時間、横に日付です。
そして日付の下には下校時刻、予定を書き込む欄を作りました。
中学校は午前中の日もあれば、部活や生徒会で帰宅時間が遅くなる日もあり、かなり不規則でした。(ちなみに部活停止は定期テストの3日前からでした)週末は、部活の大会があったり、また地域の環境ボランティア活動もやっているのでそちらの予定も入ることがありました。
親の私でも子どものスケジュール把握が大変だったのに、先を見通すのが苦手な子どもに予定を考えて勉強しなさいと口だけで言っても無理だと思いました。
バーチカルなスケジュールに書き込むことで、子どもが使える時間を可視化させることが必要でした。
子どもは夜はいつも10時半には寝ていたので、勉強時間の算出は簡単です。
帰宅時間から夜10時半まで、食事とお風呂を除いた時間で、その日に何時間勉強時間をとることができるか、またトータルで40時間になるようにそれぞれの予定を加味してバランスを決めます。この日は学校が午前中だから、午後3時間、夜1時間とか、この日は生徒会で遅くなって多分すごく疲れる会議の日だから、夜1時間だけとか。
最初は予定表をみせてもあまりピンとこない様子でしたが、勉強をやる時間を先に決めてしまうことで、残った時間を自分の時間に使えるんだよと話しました。一日の中に目一杯勉強時間を作り出すためのスケジュールではなく、勉強以外の時間も作り出すための計画だと理解させました。
勉強以外の時間というのは、本を読んだり、TVを見たり、ダラダラしたりする時間を指します。(ゲームは2週間前から封印すると本人が決めてました)
私がわざわざこの話をしたのは、ダラダラしている時間も自分の自由時間なんだよ、ということをわかって欲しかったからです。
自分の意志でダラダラするのは全然構わないんです、むしろ必要な時間だと思います。でもなんとなくダラダラしていたせいでやりたいことが出来なかったとか、今日は勉強しかしなかったとか、そんな風に思わないで欲しかったのです。
ダラダラ時間って、なんとなく自分の時間じゃないと思いがちなので、そこの意識を変えさせようと思いました。
そんな風にして、40時間をざっとそれぞれの日に振り分けます。
できるだけキツキツのスケジュールにせず、予定通りにいかない日は後にまわせるように、また調子がいい日は予定よりも多くできるように、融通の利くスケジュールを立てます。
スケジュールをたてたら、次はやる内容です。
内容は1番最初の定期テストだけは私が提案してましたが、2回目以降はには子どもが何をやるか決めていて、私はその内容を聞いて、不安に思ったことだけ子どもにどうしてそうするのかを聞いたり、アドバイスしたりしましたが、最終決定権は子どもが持っていました。
最初のうちは、科目ごとに一覧表で書かせて優先順位もつけていました。
そしてこれを書いたら、それぞれの問題集をもってきてやる場所のスタートと終わりページに付箋をはっていきます。
子どもは、理社に関しては教科書トレーニングに絶大な信頼をもっていてました。
(教科書トレーニングは、学校で使う教科書の出版社ごとに商品がありますので、購入の際は学校で使っている教科書の出版社に合ったものを購入する必要があります)
教科書トレーニングの定期テストに対応しているページに付箋をはり、あとは巻末にある定期テスト予想問題のところの該当範囲に付箋をはりました。
子どもはかなりのうっかりものなので、巻末についてる定期テスト対策などがあるのをわかっていてもやるのを忘れてたと言い出しかねないので、やるべき場所に目印をつける必要がありました。
教科書トレーニング以外にも、他の市販の問題集や進研ゼミの定期テスト対策本など、試験範囲に一致しているところの最初と最後に付箋を貼ります。
やろうと思っていること、やるべきことをリストアップしたら、最後にもう一つやることがあります。
時間との調整です。
先に書いた通り、定期テスト勉強は総時間40時間です。
リストアップした内容がこの40時間でできる量かどうか考えます。
子どもは小学校の高学年ぐらいから問題集をみると、だいたいこれなら1つ何分でできるというような時間予想をかなり正確につけることが出来ていました。これは小さい時から進研ゼミをやる時に常に時間を意識させてやらせていたので、自然に身についていました。
(この才能?があとあと高校受験の時に大変役立ちました)
科目ごとの必要な時間を考えたり、多すぎる科目はやらないものを考えたり、ここで全体の勉強のバランスを決めてしまいます。
(ちなみに実技科目はいつも試験の前日に2時間と決めていました。)
これをやっておくと、何も考えずにとりあえず基礎的な問題からやっておこうかなとやりはじめてしまい、結局最後の方で時間が足りなくて応用問題に手を出せなかったというようなミスを避けられます。勉強のスタート時から、必要テスト勉強だけやることが出来るのです。
予定通りの内容が全部勉強し終われば、本人もやるべきことは全部やったと自信をもって受けられます。
前回書いた範囲表をきちんと読みこむ事、それからスケジュールを可視化すること、2週間でやるべきことを最初にピックアップすること、時間と内容のバランスを整えること。
これが中学の定期テストの勉強をスタートする前に、子どもがやっていたことです。
時間にするとこの作業が1時間~1時間半ぐらいです。
時間とやるべきことを決めてしまえば、もうそれをやっていくだけなので私も気になってイライラしないし、子どもも「大丈夫なの?」と親に言われてストレスを感じることもありません。机に向かうたびに今日は何をやろうかなと考える無駄な時間も無くなります。
そして何よりいいのは、これらの事をやると一気にモチベーションがあがることです。
塾なしで家庭学習のみだと、どうしてもメリハリをつけるのが難しいです。そこで定期テストの時は毎回、「さぁ、スケジュール決めるよ!」と言って、定期テストスイッチを入れていました。一種の儀式みたいなものでした。
勉強には戦略が大事です。
親は日頃から自分の子どもの性質をよく理解していると思います。
1日どれぐらいまでなら集中できるか、何日ぐらい同じことをしたら飽きてくるか、モチベーションが下がってくるとどうなるか、どんな時にストレスを感じるか。
同じ学年の子だったらこれぐらいの事ができるから同じだけやらせようじゃなくて、自分の子だったら何がベストかそれを考えるといいと思うのです。
それぞれの子にあった戦略を考えてアドバイスできるのは親だと思います。
(おまけ)
勉強をスタートする時に、もうひとつおまけです。
うちは、定期テストを開始する前に机の上を変えていました。
普段やっている進研ゼミや先取りの数学や英語の問題集やノートを机の右側に積むくせがあったのですが、テスト前の2週間はそれを用意しておいた大きな籠の中にどさっと移していました。
そのかわりにA4のファイルボックスを持ってきて、定期テストで使う問題集をすべて一か所にまとめて机の上に置きました。
机の上に置いておくものは全ていま使うものだけ、これを基本にしていました。
本当は、普段から机の上には何も置かないで欲しかったのですが、やるものは机の上に置きたいという本人の希望だったので。
机の上の景色が変わるのも、子どもにとって定期テストが近づいてきているというスイッチの一つでした。
ちなみにこの入れ替えは最初のうちは私がやっていました。そのうち子どもも一緒にやるようになり、いつの間にか自分でさっさとやるようになりました。
子どもは物の整理整頓が苦手です。中学生だから自分でやりなさいと突き放すだけでなく、見本を見せる、一緒にやる、という段階があると整理整頓が自然にできるようになると思います。