今日は、東大の二次試験の自己採点と得点開示のお話です。
前回、再現答案の話を書いた最後の方に自己採点の話も少し書いたのですが、もう少し書いてみます。
前回記事です。
前回記事にも書いた通り、東大二次試験の再現答案は試験後すぐに作ったのですが、自己採点は合格発表の後にやりました。
二次試験が終わった直後、息子は試験の手ごたえがあったといって合格を確信していたようで、「私大の入学金はらわなくていいよ」なんて言ってたぐらいです。
しかし雲行きがあやしくなったのは、数学の再現答案を作っていた時。
自室でやっていたのですが、リビングに降りてきて
「やばい、計算ミスみつけた」
と力なく笑っていました。
そして、もう1度自室に戻って続きをやっていたら
「もう1問、計算ミスがあった」
とがっかりした様子。
あらあら、という感じです。
高校受験の時も数学でやらかしているので、そうか大学受験でも同じだったか、、という感じ。
「私大の入学金払ってくれる?」というので、すぐに手続しました。
ただ、そのあと残りの国、英、地理B、世界史Bと再現答案を作っていくと、
「大丈夫そうな気がしてきた」
と言ってました。
自己採点はしていなかったけど、数学以外は点がもらえそうな解答が作れていると思ったみたいです。
合格発表までは、ずっと頭の中で考えていたようで、英語が何点で、国語が何点で、地理と世界史が何点で、数学が最悪〇〇点でもなんとかなるかもとか、そんなことばかり言ってました。
そんなに気になるなら自己採点やればいいのにと思うのですけど、自己採点やったところで合格最低点は毎年違うので、ハラハラするのは一緒だから私もやればいいのにとは言いませんでした。
そんなハラハラな2週間を過ごして、合格がわかったので、
「これで安心して自己採点できる」
と言って各予備校の解答速報をみながらやってました。
「自己採点がどんなに悪くても、受かっているよね、取り消しになったりしないよね」
と冗談を言って笑わせてくれましたが、数学が本当にまずいと思っていたようです。
それで実際に自己採点をやった点数を聞くと、本当に
「よくその数学の点で受かったね」
と驚くような点でした。
息子も「これだから数学は怖いんだよ」と言ってました。
高校受験の時もそうだったのですが、いくら普段の数学ができても「絶対に数学は勝負科目にしない」と言ってましたが、息子にとってはそれが正解だったと思います。
そして4月になると東大の得点開示が行われました。
今回の記事には、息子の科目別の得点は書きません。
平均的な普通の点の取り方ならのせても良かったのですが、数学がそんなカンジなのでちょっと載せにくいので、ご容赦ください。
合計点は、合格者最低点のプラス10点ぐらいだったので、ギリギリ合格でもなさそうだったのでひとまずは安心。
息子は、最低点かも~と心配していたので。
点数は書かないのですが、自己採点との誤差を書いてみます。
英 語 自己採点よりプラス2点
数 学 自己採点よりマイナス2点
国 語 自己採点よりプラス2点
地 理 自己採点プラス5点
世界史 自己採点よりマイナス4点
ということで、自己採点よりも合計点がプラス3点でした。
と、息子から聞いてびっくりしました。
なんでそんなに正確に自己採点ができるの!?
これで正確?全部点数ずれているのにと思われるかもしれませんが、東大の二次試験は点数の多くを占めるのが記述問題、さらに配点や採点基準が発表されてなので、自己採点がとっても難しいのです。
高2の冬休みに東大の過去問を始めた頃は「自己採点やっても何点なのかさっぱりわからない」と言って頭を抱えていたのですが、そこから自分で過去問をやったり東大の冠模試を受けたりしているうちにどんどん自己採点の精度が上がっていました。
東大は、採点基準も発表していなくて、漢字問題でさえ1問1点だとか2点だと言われていて、予備校によってもその基準が違うそうなのですが、冠模試をうけた後も、ここの予備校は、この問題の配点をこれにしているからみたいなものも考慮しなが自己採点をやっていて、秋に受けた冠模試の合計点もほぼ自己採点と数点違いぐらいになっていました。
科目別に息子に話を聞くと、
英語と国語は、単純に2点の誤差があった。
数学は、計算ミスだけで方針はあっていたからもう少しもらえるかと期待したけどダメだった。
地理と世界史は点がずれているけど、得点調整が少し入っているかもしれないと言ってて、地理はここまで点が取れているカンジはしていないし、世界史は逆に点が低く感じたそうです。
文系の社会の場合は、地理、世界史、日本史の3科目から2科目選んで受験するので、公平性をとるために得点調整があるのではとうわさされています。(東大からの公表はないので真偽はわかりません)
今回、地理が難しかったし、世界史が易しかったことを考えると、自己採点とのずれはちょうど得点調整の分じゃないかなと言ってました。
ついでに漢字は何点だったと思う?と聞いてみたら、自分の解答の計算から考えると1点だと思うと言ってました。
配点も年によるかもしれないし、採点基準もきっとその年の採点者が相談して決めるところもあるだろうから、(文科1,2、3でも基準が違うのではないかという噂も聞くし)今年の話が参考にはならないかもとは思いますが。
ということで自己採点やってもわからないしなあ、となりがちなんですが。
前に記述模試の自己採点のことを書きました。
わからないなりにも何度も何度も自己採点をやって点数を出す、というのを繰り返していくときっと採点者の目線になって解答をかけるようになるのではないかと思います。
特に記述は、採点基準にあった形で自分の思考を正確に伝えないといけないので、そういう目線が必要になるのかなと、採点者がこれをみてどう判断するのか、そこまで考えながら解答を作っていくことが大事みたいです。
自己採点をやる前、再現答案を作っていた時に自分の書いた答案だけをみて息子は点数を予想していましたと上に書きましたが。
この時は数学は期待値をこめてやや多め(たしか10点ぐらい)の予想をしていましたが、その他の科目は自己採点とほとんど変わらない点でした。
解答をみなくても点数が予想できたということは、自分ができていたこと、自分ができなかったことがはっきりわかっていたということになります。
中学生の時から、テストなどで解答は書いてはみたもののそれがあっているのか、間違っているのかわからない、ということがほとんない子でそれが不思議だなと思っていたのですが。
わかるものはわかる、わからないものはわからないとはっきりしているということは、わかることの理解が常に中途半端ではなく細部まで理解しているということなんだろうなとあらためて思ったりしました。
どんなことでも疑問に思ったことをそのままにしない、わからないことはとことん考える、一つのことを長く考え続けられるというのは小さい時からの息子の性質でした。
そういうことの積み重ねがここにつながったのかな、などとこの18年の子育てを振り返りながら考えたりしました。