考えるお母さん**大学受験を見守る         

塾なしオール公立の息子が東大生になりました。考えるお母さんがこれまでの子育てを考えてポツポツと語ります

塾なし受験のデメリットとその対策(3)

 

前回、内申対策で塾の必要がないと判断した話を書きましたが、今回は、「高校入試本番の問題の点をとるための勉強」の学習計画を考えた話です。

 

上位校狙いの塾利用の理由は、内申対策よりも受験対策の方が多いと思います。

塾によっては定期テスト対策は一切やらないところもありますよね。

難関私立国立を狙う子は、早い時期から塾で先取りをして志望校に合わせた受験対策をやるというのはわかっていたのですが、では公立トップ校狙いの子は?

 

いつから始めて、どんな勉強をしたらいいのか?

先取りは?

勉強内容のレベルは?

どの時期にどれぐらいの力をつけておいたらいいのか?

 

疑問に思うことはたくさんありました。

 

塾なしのデメリットはそういうノウハウが無いことですね。

塾に任せてしまえば、高校受験のためのカリキュラムがあって、それに沿って進んでいける。

塾に任せてしまった方が楽だろうな、同じ高校を受ける子達と同じ勉強をしていけば、その中である程度の位置にいたら可能性はみえてくるし、受験に対する見通しも立って不安も少ないような気がしました。

 

 

うちの地域は、小学校の高学年もしくは中学に入学するタイミングで公立難関高校受験塾に入る子も多いのですが、私は子どもが中学の生活に慣れることを優先させました。

慣れない中学で身体も心も疲れながら学校生活を送るより、できるだけコンディションのいい状態で学校のことをひとつひとつ丁寧に向き合って欲しい、そう思ったからです。

 

また子どもの方も夜に塾に通うことにすごく抵抗感がありました。

「一日中学校にいて勉強や部活やるだけでも大変なのに、その後、夜から塾に行くなんて絶対無理」とよく言っていました。

 

前回の最後の方にも書きましたが、子どもは勉強する時に高い集中力を発揮するタイプなのですが、その反動なのか充分に休息する時間も必要とします。

 

中学生の頃は9時間の睡眠を必要としていて、心を整えるため(?)と言っては、ひとり静かになにか好きな事に没頭する時間も1日の中に必要でした。

そういう生活が、子どものコンディションの良い状態なので、これはなかなか変えられないだろうなと思いました。

特に平日の夜に通塾する生活というのは難しいかなと。

 

そんなわけで塾に頼らないのなら、親の私が、ある程度道筋を立てる必要がありました。

 

進研ゼミはやっているけど、何か別の問題集もやらせようかな?

やっぱり数学と英語?どんな問題集がいいだろう?とりあえず何か1冊買ってみようかな。

 

最初はそんな風に考え始めたのですが、でも、いや待てよこんな行き当たりばったりで思いついた問題集を適当に選んでやらせるやり方でいいのか?そんな疑問が浮かんできました。

なんせ子どもは短い時間しか勉強ができないし、1日で色々な科目をやるのも嫌がります。(科目はやってもせいぜい2科目です)

これは最初に長期的な学習計画を立てて、見通しをもって進めていかないと、受験生になった時に時間が足りなくなっているかもしれない、そんな気がしてきました。

 

長期的な学習計画を立てるにあって、まず中1からやることを考えてみたのですがスタートから考えるのは、考えが広がり過ぎてまとまりません。

そこで、スタートからではなくゴールから逆算して考えることにしました。

1枚の紙に手書きで簡単なガントチャートを書き、1科目ずつゴールからスタートへ戻るように書いていきました。

 

この時に色々な方の受験体験のブログを読ませていただいたのが本当に役に立ちました。

中3のこの時期はこの問題集をやっているのか、過去問はこれぐらいの時期から始めるのかとか、全国高校入試問題っていうのをこの時期からやっている子が多いなとか、夏休みは400時間勉強が目標というのをみて大いにビビったり、(40日間で1日10時間という計算でしょうか)、かなり具体的なイメージを持つことができました。

 

この時点では、まだこの後通塾する可能性もあったので、塾に入った時に遅れを取っていない状態にしておきたいと思ってました。

中3の夏休みから塾が入試演習に入ると仮定して、まずはそこまでを一つの目安と考えました。

中3の夏までに英数を先取りして中学範囲を終わらせる、理科は中3の夏休み以降に習う単元を、社会は公民を中3の夏休みまでに自学する。現代文の読解をとにかく頑張る、そう決めました。

 

とりあえず中3の夏休み前までにやり終える目標を立てたので、あとは何をやるかどれぐらいの時間が必要かを考えて、何をいつから始めればいいか決めました。

 

 

数学の例を書いてみます。

 

数学の先取りをちゃんと始めたのは中1の冬からでした。

使ったのはチャート式です。

中1の冬だったので、中1のものは買わず中2からスタートしました。

そしてチャート式だけだと定着に不安というので、すぐにチャート式の準拠ドリルも用意しました。

 

先取りを始めたと言っても、この時期から毎日やっていたわけではありません。

定期テスト前の2週間はやらないし、進研ゼミをやる日も先取りはやりませんでした。

進研ゼミは1ヶ月分をだいたい2週間で終わらせていたので、1ヶ月のうち2週間は進研ゼミ、残りの2週間で定期テストがあれば定期テスト勉強、定期テスト勉強がない時はチャート式で先取りこれが学校がある期間のペースで、長期休みは意識的に進めるようにやっていました。

先取りしているのに追いつかれそうになっていた時期もありました。

でも先に進んでおけばいいという目標ではなく、ひとつひとつちゃんと理解しながら進んでいきたいと子どもが言うので、そこは余計なことは言わずに黙って見守りました。

 

 

計画は、長期的な受験までの計画(3年)、学期毎の中期計画(3~4ヶ月)、更に定期テストの時期までを基準にした計画(1ヶ月~1ヶ月半)、この3種類のパターンでやることを私と子どもで話し合ってざっくりと決めました。

これより細かい計画や進捗は子どもに任せました。

 

前に定期テストの話を書いた時にも少し書いた気がしますが、子どもには問題を解く時にいつも時間を意識するように言っていました。

これを意識させていたのは、問題のスピードを上げることが目的ではなくて、問題をみた時に、その問題をやり始める前に自分が何分で処理できるかそれがわかるようになって欲しかったからです。

スピード勝負ではないので慌てて問題をやる必要は全然なくて、普通に問題に取り組んでやった時に何分かかるかを知ること、それを意識させていました。

これをやりだしのは小学生の時からなのですが、ずっとやり続けているとどんどん精度があがってくるのがわかりました。

 

なんでこんな話をしているかというと。。。

これが身につくと、子どもに問題集を1冊渡して「何日でできる?」と聞くと、問題集の中身をみて、目次に書いてある問題の数を確認して何やら計算し始めて、「1回1時間で、30日でできる」というような答えがかえってくるからです。

そして、この見立ては大きくはずれることはなく、ほぼ子どもが言ってた通りの時間で1冊終わります。

 

これが出来ると、実現可能な勉強計画が本当に立てやすいのです。

計画が遅れている時も、どれぐらい増やせば挽回できるのかとか、もう1冊新しい問題集を増やしたいけど、それを追加する時間はあるかとか、そういうことも判断できます。

私は中1の後半からは丸つけも手伝わなくなっていて、やっている内容を細かくてチェックすることも無くなっていたので、子どもが的確に時間の見積もりが立てられなかったら実現可能な計画が立てられなかったかもしれません。

 

 

こんな風にゴールから逆算した計画を立てそれにそって進めながらも、頭の中では通塾はどうしたものかと考えていたのですが。

 

子どもが中2の2月、日本にもコロナの波がやってきました。

塾に通うなら、中2の学年末試験の後?志望校に特化した講座だけならGW頃から?

まさにその時期でした。

もちろん入塾は可能でしたが、学校が休校になっていたこともあり、塾の方も対面授業の中止、オンライン授業への移行とバタバタの時期でした。

こんな時期に入塾?オンライン授業からスタート?

完全にタイミングを逃しました。

 

でも一方で、思わぬ良いこともありました。

学校が休校になったおかげ(?)で、自学する時間が増えて先取りが順調に進みました。

中3の夏休み前までに先取りと言っていたのが、GWの頃には英語も数学もひととおりおわり、理科や公民の方にも手を出すことができたのです。

 

計画よりも早く進んでいたことや、模試もうまく行ってたので、これならもう塾なしでもいいかもしれないと、だんだん私の腹も決まってきました。

 

ベネッセコーポレーション 進研ゼミ・こどもちゃれんじ

 

今は、だいぶコロナの状況というのに世の中が慣れてきましたが、2年前は急に9月入学説が出てきたり、そもそも春の入試が本当にあるのか?そんな心配までしないといけない状況でした。

 

そんな混乱も経験して、長期計画を立てておいて良かったと思います。

何をどの時期にやるか、どこまで仕上げるか、そういう基準を決めておいたのでイレギュラーな事態にも対応することができました。

 

 

と色々書きましたが、

学習計画は、長期計画をゴールから逆算してたてる。

実現可能な計画を立てるために、どれぐらいの時間で問題が解けるのか正確な見立てを立てられるようにしておく。

これが「高校入試本番の問題の点をとるための勉強」の学習計画における、塾なし受験の対策になったかなと思います。

 

 

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