前回予告しましたが、これから子どもが経験した「塾なし中学生の先取り学習」について、何回かに分けて書いてみたいと思います。
今までも、中学時代の家庭学習の先取りは書いてきましたが、今回は主に、私が先取りについて何を考え、子どもにどんな働きかけをしたのか、そしてそれに対して子どもはどんな反応をたのか、先取りはどんなことが良かったのか、そんな話をしていこうと思っています。
今までに書いた先取りの話は、前回のブログの中にリンクをまとめてあります。
まず今日は、私が考える先取りができる子についてと、先取りをしっかり考えるきっかけになった失敗談をお話しようと思います。
中学時代の子どもの様子です。
- 地域の公立中学校に通っていた
- 一度も塾に通ったことが無い
- 小学生の時から平日の家庭学習の習慣がついている
- 小学生の時から進研ゼミをペースを崩すことなくやり遅れたことがない
- 文字情報に強く、問題解説文を充分に理解する力がある
- 精神的に落ち着いていて親とのコミュニケーションが良好である
- 学校の学習面で取りこぼしがない
- 中学で学年1位、公立難関高校に合格した
スタートから子どもの自慢話を書いてるみたいで嫌なのですが。。。
今回書く話は、本気で塾なし先取り学習をやってみたいという方に向けて書きたいと思っているので。
なので、私も本気出して書いています。
正直に言います。
試しにとか、とりあえず、なんとなく良さそう、みたいな気持ちで自学の先取りをやってもうまくいかないと思います。
この記事でも先取りのことを書いたのですが、この記事にも書いた先取りに関する文章、もう一度のせます。
>これは誰もができることではないし万人におすすめなやり方ではありません。
でも学年トップをねらう位置にいる子なら、頑張れば自力での予習先取りはできると思います。
先取りは時間もかかるし正直、苦しいです。でも苦労した分、その見返りは大きい。
一番最初に子どもがどういう子だったのかというのを書いたのは、それまで家庭学習の習慣があり学校の成績が良い子でも、中学生が家庭で先取り学習をやるのは本当に大変だったということをわかって欲しかったからです。
私が個人的に思う先取りをお勧めできる子は、学年のトップ層にいる子、あるいは本気でトップ層に食い込んでいきたいと思っている子です。
もしくは、数学と英語の授業の取りこぼしがなく、英数なら学年のトップにいる子です。(先取りは主に英数をやるので)
自宅学習で先取りをやることは、塾に通って塾の授業で先取りをするのとは全然違います。
強制力もない状態で、誰にも教わらずに自力で進めていかなくてはいけません。
前提として理解力がある子、そして本人にどれだけやる気があるかどうかもとても大事です。
中学生は毎日忙しくて、自由に使える時間が少ないです。
親が先取りをやらせたいと思った時にまず考えないといけないのは、今のお子さんの時間の中に先取りの勉強をする時間を作ることができるか?ということです。
勉強のこととなるととかく周囲の大人たちは、やる事を増やす事ばかり言います。
種類を増やせ、量を増やせ、時間を増やせ。
増やせというのは簡単ですが、子どもが持っている時間は変わりません。
増やすのなら何かを減らさないとできないのです。
増やすだけの働きかけでは、最初はなんとかうまく出来たとしても長く続けることは難しいはずです。
大人は子どもに比べて視野が広く、物事を俯瞰でとらえることができます。
先取りをやってみようと思われるなら、忙しい中学生の時間を俯瞰でとらえ、その上でお子さんも納得する生活のバランスを考える、そしてお子さんに合った勉強方法を考えて欲しいと思います。
なんだか偉そうなことを上から書いていますが、最初は私もちゃんと考えていなくて、子どももうまくいきませんでした。
何のために先取りをやりたいかという目的は親子の中であったのですが、それを確実に実行させるにはどうしたらいいか、ということを考えずに、「とりあえずやってみるか~」という感じで、ちょこちょこと手をつけていました。
でも、やっぱり「とりあえず」ぐらいで始めてもうまくいきませんでした。
うまくいかなかった時にやっていたことです。
最初は「ハイクラステスト」という中1の数学の問題集です。
小6の最後の方、中受組の友だちの影響で中学数学に興味を持ちだした子どもに2冊ほど中1の問題集を買いました。
1冊は計算問題に特化した問題集、もう1冊が「ハイクラステスト」。
中学でどんなことをやるのかペラペラながめるもよし、興味あればやってもいいし、中学に入ってからやってもしいし、そんな軽い気持ちで選んでいた1冊です。
先取りの話をしていた時に、子どもが、この本があるからとりあえずこれをやってみる、と言いました。
最初は、特にやり方も決めず、気が向い時に時々開いてやっていました。
しかしある程度のところまでやると、
「問題集だけやっても、わからない」
と言いだしました。
こういうやり方なのかな?という予測をつけて解ける問題もある、解説を読めばそういうことかとわかることもあるけど、こんなやり方をしてていいの?身についている気がしないといいました。
この時は、教科書を見たりすることもなく問題集だけで強引に進めていました。
実は小学生の時も算数だけは学年よりも上のドリルをやっていたことがあって、小5で小6のハイクラスドリルなんかをやってました。
子どもの感覚では算数のドリルを先取りするようなそんな気持ちで数学も始めたと思います。
算数に関しては本人も好きだったし、解き方を知らずに自分の頭だけでどうやって解いたらいいかを考え出すことに面白みを感じていたのでドリルが解けることが楽しかったと思うのですが。
この時におそらく子どもの中で、算数と数学の違いに気がついたのだと思います。
数学はまず数学のルールを知らなければはじまらない、それを自分はわかっていない。
私も中1の数学ぐらいまでは子どもに聞かれると教えていたのですが、このやり方ではすぐに限界がくるなと思いました。
それならばと、当時、口コミをよくみかけていた「ひとつひとつわかりやすく」の中1の数学を買ってみました。
この本はとても丁寧な説明もある基礎の問題集です。
本屋で一緒に選んでやり始めました。
しかし今度は
「これをやっても意味がないと思う、簡単すぎてつまらない」
と子どもが言いました。
この時の私の考え方としては、中1数学のやさしい問題集を1~2ヶ月ぐらいで終わらせて、そのあとに難しい問題の問題集をある程度時間をかけてゆっくりやらせるつもりでした。
まずは、やさしい問題集で気分よく数学をやらせて自信をつけるといいかなと思ったのですが、これは完全に目論見がはずれました。
子どもにとって数学は楽しいのものじゃないといけないのだと気がついたのです。
子どもが感じる楽しさは、あまり考えなくてもすらすら解けて全問正解になる問題をやることじゃなくて、頭をつかって考えて挑戦した問題が解ける、その気持ち良さだったのだとわかりました。
このあたりで私も気がつくのです。
先取り学習、簡単じゃないぞって。
適当にそのへんのものを渡しておけばいいというわけにはいかないぞって。
ということで、私も本気を出すことにしました。
続きは次回。