考えるお母さん**大学受験を見守る         

塾なしオール公立の息子が東大生になりました。考えるお母さんがこれまでの子育てを考えてポツポツと語ります

とりあえず東大志望?からはじまった東大受験

今日は、とりあえず東大志望?からはじまった息子の大学受験のお話です。

 

あらためて考えてみました。

息子が東大に行きたいと言ったのはいつだったのだろう?

 

うーん、いつだ?

 

何かきっかけがあったとか、この日を境に、みたいなドラマ的なエピソードが何もないことに気がつきました。

 

強いて言うなら中3冬の高校受験の時、高校の志望動機の欄に「東大志望のため勉強環境の整った貴校に入学したい」と書いたのが最初だったと思います。

そんなこと書いているなら、もうその時は決めていたんでしょ?と思われたかもしれませんが、これは苦し紛れに捻りだした志望理由でした。

息子が志望していた高校は、国公立一般受験推しの強い学校で毎年東大の合格者もだしています。そうなると、やる気がありますと伝えるためには「東大」と書いてしまうことが一番簡単でした。

 

国立大へ行きたいという理由では、括りが大きすぎてとても曖昧な印象。

将来なりたいものもない、大学でこういう研究をやってみたい、こんなことを学びたい、そういうものが全く無かったので、具体的でもっともらしい理由が全然かけませんでした。

「東大志望」だったらいいんじゃないの?目標としては具体的だし、勉強を頑張る決意みたいなものも書きやすいし、というようなことを私が言った気がします。

えーでもそんなこと書いていいの?(おそれおおい)と、息子はちょっと渋ってましたが、結局、他のアイディアが浮かばずにそういう方向で志望理由を書き上げていました。

 

今、思えばこれが一番最初だったような気がしますが。

息子が自分から言い出したわけではないから、決めたというのとは違うかな。

 

 

高校に入学してから、1年生の夏休みに入る前には学校の方から志望大学を書いて提出しなさいというようなものがあったらしいです。

これは親は全く介入しないやりとりだったので、私は後から「そういえば大学書いて出せって言われたんだよね」というような話を聞きました。

この時は、「いきなり志望大学書けっていわれても、何も思いつかなくって、東京大学って書いちゃった」と軽いのりで言われました。

この時点でも本気で志望していたとは思えず。

 

高校の最初の三者面談で、息子の書いた志望校の名前が印刷された紙を先生から資料として渡されて

東京大学が第一志望を聞いております」

と言われて、はぁ?となる、という。

言い方は悪いけど、完全にここからは高校のペースにのせられてしまいました。

 

その時の話です。

 

息子は、高1の夏前はまだ、文系にしようか?理系にしようか?と悩んでいたぐらいの時期で、先のことまで全然考えていませんでした。

この時期、私の方も大学受験の情報は全然集めていなくて、共通テストも国立の二次試験も、何の科目受けるの?そんなこともわからない状態でした。

 

 

先生の方からは「とりあえず東大志望」にして準備をしておけばなんとかなるというような話を折にふれ聞かされていたみたいです。

 

この「とりあえず東大志望」の意味ですが、これはとりあず一番上を目指して緊張感をもって頑張れという意味と、もうひとつ理由があります。

 

そのもうひとつの理由は、東大受験の科目の多さです。

 

息子が受けた今年の受験で言えば、

 

共通テストは、

英語リーディング、英語リスニング、国語(現代文、古文、漢文)、数1A、数2B、世界史B、地理B、生物基礎、化学基礎

 

これに二次試験の

英語(リーディング、英作文、リスニング)、国語(現代文、古文、漢文)、数学(数1A、数2B )、地理B 、世界史B

 

二次試験は記号問題もありますが、配点の多くを占めるのは記述問題です。

国公立大の二次試験で英語のリスニング問題が出るところは非常に少なく、また文系国立大学の二次試験で社会を2科目としている大学は東大だけらしいです。

あらためて書いてみると、よくまぁこんなに沢山の科目を勉強したものだとびっくりします。

(来年は、共通テストの情報が加わるので東大受験もさらに負担が増えますね)

 

この受験科目の多さをみればわかるように、東大を目指すと決めておけば、高1の勉強から緊張感をもってどの科目も勉強をすすめていくことができます。

あらゆる科目で受験できる可能性を作っておけば、本当の志望大学が決まった時に、必要な科目を引き続き勉強していけばいいだけです。

またどうしてもこの科目では受験できないと思った時は、その科目を使わない大学へとシフトしていけばいいのです。

こんな風にあとからの路線変更がしやすい、というのが「とりあえず東大をめざす」理由です。

 

 

例えば、慶応の経済のA方式の受験であれば受験科目は、数学(1A・2B)、外国語、小論文だけです。もちろん共通テストはいりません。

 

高1の時点で慶応の経済学部志望だったとしたら、数学と英語をがんばるでしょう。

しかし、途中で慶応ではなく東大を受験したいと思い始めたら?2科目しかやっていなかったのを、共通テスト対策と二次対策の勉強を増やさなくてはいけない。

 

では逆のパターンでは?

高1の時点では東大志望で全科目で準備を進めていたが、途中で慶応志望に変えようと思ったら?そこから英語と数学を頑張ればいい。

 

 

どう考えても慶応から東大に進路変更するほうが大変だよねという話を聞かされていたみたいです。

あとから科目を増やす必要がある大学を志望しても時間的に間に合わないよ、というようなことを。

 

ということで、まだどこの大学へ行きたいかなんて全然わからなかった時期は、自分の選択肢の可能性を広げるために「とりあえず東大志望」にすることにしていました。

 

 

そして「とりあえず東大志望」なので、高1の秋に初めて受けた駿台全国模試の第一志望校にも「東京大学」と書きました。たしか、この時が一番最初に目にした志望校判定だったと思うのですが、C判定が出ていました。

C判定なんてすごい!と盛り上がっていたら、次の高1の最後の駿台で東大A 判定がでました。

ふわふわした空気の中で冗談まじりに言ってた「東大志望」が一気に現実的なもの変わった気がしたのがこの頃でした。

 

 

少し前に、「目指さなければ始まらないし、受けなければ受からない」という記事を書きました。

 

この時は、何がきっかけで東大を目指し始めたのかということは書かなかったのですが、こんないきさつです。

「とりあえず東大志望」でいいからと周りにいわれて、素直にその言葉にのったのが目指し始めたきっかけでした。

 

 

環境も大きかったです。

同じように周りの友だちも「とりあえず東大志望」ということで徐々に走り出していたので、そういう考えが自分だけじゃないというのもどこか安心できたのかもしれません。

東大は強い信念をもたねば志望してはいけない!みたいなものではなくて、「とりあえずで大丈夫だよ」というとても低いハードルだったので、まぁそういうことならいいかみたいにそのハードルを飛べたのだと思います。

気楽に低いハードルをぴょんぴょん飛んでいたら、いつの間にか少しずつハードルが高くなっていって、走るスピードも上がっていた、そんな高校の3年間でした。

 

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