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塾なしオール公立の息子が東大生になりました。考えるお母さんがこれまでの子育てを考えてポツポツと語ります

新学年はスロースタートで、スタートダッシュをさせなかった理由

4月も半分が終わり、そろそろ新入学や新学期の疲れがみえてくる頃ですね。

今日はこの時期に、中学生時代の息子に対してどんなことに気をつけていたのか、そんなお話です。

 

 

私がいつも意識していたのは、

 

「スタートダッシュをさせない、必要最低限のスロースタート」

 

です。

 

ブログに子どもの勉強のことをあれこれ書いている考えるお母さんなので、新学期のスタートはさぞかし張り切って子どもにやらせていただろうと思われているかもしれませんが、実際はその逆で新年度のスタートはあえて抑えるように仕向けていました。

 

「何事も最初が肝心」この時期、この言葉をよく聞きます。

 

学校・教育関係の方などが、「新学年ははじめが肝心です、予習復習を怠らずに云々かんぬん」みたいな話はみなさんも聞いたり、目にしたりするはず。

塾や通信教育の広告なんかは「スタートダッシュでライバルに差をつけろ」なんていうのもよくあります。

 

これを聞くと、やっぱり親の気持ちは煽られちゃうわけです。

スタートからがんばらなければ取返しのつかないことになるんじゃないかとか、最初に頑張れない子がこの先頑張れるわけがないとか。

あらためてこれから何をやらせたいか考えるとやらせたいものはいっぱい出てくるし、それに気がつくと親は焦ります。

 

焦るとどうしますか?

問題集を沢山注文してみたり、通信教育やスタディサプリに申し込んだり、塾にいれたり、なんらかの新しいことを子どもにやらせようとするでしょう。

そして子どもの方も新学年の高揚感もあって親の提案を前向きに受け入れるのではないでしょうか。

人間、新しい事には刺激があります。特にこれから自分が良い方向へ向かいそうな新しい事というのは、非常に気持ちがいいものでやる気も上がります。

 

 

しかし私はそういう話を聞くといつも頭に浮かぶ四文字熟語があります。

 

竜頭蛇尾

 

※(りゅうとうだび)最初は勢いが盛んだが、終わりは振るわないこと

 

これって誰にも思い当たることがあるのではないでしょうか。

 

 

新学期でやる気もあふれているのに、今そんなことを言って水を差さなくてもと思われたかもしれません。すみません。

 

しかしなぜこれを書いているのかというと、新年度の雰囲気だけにのまれて思いつくままにスタートダッシュしてしまうと、むしろ後からよくないことが起きる可能性があるからです。

 

スタートダッシュとばかりにあれもこれもやることを決めて始めたものの、学校が始まれば子どもたちはだんだん疲れてくる。

4月は環境の変化が大きいので、新しい人間関係、新しい生活、そういう対応で心がどんどん疲れる。

特に中学へ入学したばかりの子は、部活も始まったり学校から帰ってくる時間が遅くなったりで体力的にもこの時期はしんどい。

 

こうなってくると、

学校から帰ってくると疲れてる→決めたことが多すぎてやりきれない→だんだん中途半端になってくる→遅れが出る→考えるのが嫌になる→放置する

 

新学年に張り切って決めたことでも、早ければ1週間ぐらいですぐに放置する子もいるかもしれません。(いや三日坊主という言葉もありますね)

 

おそらくこの一連の流れの中に、親に怒られるというのも入ってくると思います。

全然やってないじゃない、ちゃんとやりなさい、中学生ならこれぐらいやって当たり前などなど。

そしてとどめの一撃は

「あなたが自分でやるって言ったんでしょ!」

 

 

ここからが、私がスタートダッシュをさせなかった理由です。

 

スタートダッシュは往々にして失敗します。

勉強というのは新年度の雰囲気の中で一時的に湧いてきたやる気程度では、継続できないからです。

その上1年の中でも、一番心と身体の負担が大きい4月に新しいことを追加して始めようとするのが難しいからです。

 

そんなことはわかっているけど、これからの1年の弾みをつけるために4月にスタートダッシュが必要という考える人もいるでしょう。

4月のスタートダッシュに失敗するのは想定済みで、あえて失敗させて怒られることで本気を出させようという考えもあるかもしれません。

 

 

私がスタートダッシュをさせなかったのは、息子の自己肯定感を無駄に下げたくなかったからです。

 

新学期の子どものやる気を利用した親が、子どもが自分からやりたいと言うように誘導して学習を始めさせるもうまくいかず途中で挫折、こうなった時に子どもはどう感じるか?

その子は、それが出来なかったというだけでなく、自分は決めたことが出来ない人間なんだというネガティブなイメージを自分自身に植え付けてしまうのではないか?と私は考えるのです。

 

自己肯定感を高める方法として、成功体験を積むというものがあります。

成功体験の中には、自分で決めた何かをやりきることができたというのもあります。

自分は決めたことを最後までやりきれたという成功体験が積みあがっていくと、自己肯定感もどんどん高まると思うのです。

では、その逆だと?

 

あえてマイナスにもっていきその反動を利用して大きくプラスに転じさせるやり方もあると思います。

ただ私は息子の性格的にそのやり方は向いていないと小さい頃に気づいていました。(そういうやり方で何度も失敗したからです)

それに気がついてからは、常にプラス、プラスの方向にむけるように考えて育ててきました。

 

 

 

「有終の美」

 

私は何か始めようと思った時に、この言葉が頭に浮かびます。

この言葉は、「有終の美を飾る」という言い回しでよく使われますが、意味は「物事を最後までやりとげ、立派な成果を残すこと」です。

 

 

私は、息子が何かはじめようとする時にいつも考えていたのは、どうしたら最後までやりとげることができるか?です。

 

一番避けたいのは、あれこれ手を出してどれも中途半端になり、いつの間にか全部やめてしまうことです。

 

 

新学年のスタートはがんばらないといけないことがいっぱいあります。

私は優先準備をつけていました。

 

一番大事に考えていたのは、息子の心と身体、何をおいても睡眠と休息をしっかりとらせることです。

 

次に学校です。

授業中に集中できる、

部活や生徒会の仕事をしっかりやる。

課題を丁寧に仕上げ、期日までに出す。

小テストも準備して点を取る。

 

新学年のスタートからGWまでの時期は、これができれば花丸と思っていました。

 

まずは新しい環境に慣れるそこで安心できる居場所をみつける、新しい教科担当の先生のやり方を見極める、そういうことを大事にして欲しいと思いました。

そのためにも心と身体の疲労は無視することが出来ず、睡眠と休息を一番大切に考えていました。

 

学校でへとへとになった身体と心で、集中力も残っていない夜に新しい勉強に挑戦しようといってもそれはとてもしんどい。

やる気だけに頼って無理に勉強してその疲れを残したまま翌日学校へ行くと、疲れているので授業に集中できない、また家に帰って勉強するけどここでも疲れているから集中できない、こうなってくるともう悪循環です。

学校も中途半端、家庭学習も中途半端、どちらもうまくいっていないことに気づき、自分はちゃんとできないんだと落ち込むかもしれないし、やる気もなくなってくるでしょう。

そういう事には絶対にさせたくなかった。

 

勉強において大事なことは、集中力を保ちながらの継続です。

これを実現させるためにも、スロースタートで始めて徐々にギアをあげていけばいいよ、といつも言ってました。

 

深く思考するための体力、継続して思考するための持久力、我が家ではこれを「勉強体力」と言ってました。

気力だけはいきなりマラソンが走れないのと同じで、勉強も気力だけでは長くは続きません。

人間そう簡単にスイッチを切り替えることはできないと思うのです。

心身のコンディションを整えた上で、勉強体力を使って勉強していく私はいつもそんなイメージを持っていました。

 

 

「何事も最初が肝心」

 

今日のお話の最初の方でもこの言葉をあげましたが。

この言葉の意味は、何かを始めようとする時は最初の段取りが大切で最初にうまくやっておかないと結果がうまくいきませんよ、というものです。

まずは段取りです。

 

  

 

(おまけの話)

 

長くなったので、おまけの話ということで。

 

このブログを前から読んで頂いてるいる方は、あれ?新年度学校の勉強だけでいいとか書いてるけど、NHKラジオの英語講座とか、中学の時の進研ゼミとかやってなかった?と思われた方もいらっしゃると思います。

はいその通りです。

やっていました。

 

この話、ちょっと補足しておきます。

 

進研ゼミは小1から、NHKラジオの英語講座は小4から聴き始めました。

まず前提としてこの2つは長くやっているので、息子の生活の中にはこれが習慣として組み込まれていたので、新学年から始めようというものではなかったということです。

ということで息子にとっては進研ゼミも基礎英語を聞くことも、気持ち的に負荷がかかるものではなかったので、前の学年に引き続き淡々とやっていました。

 

とはいえ4月はやっぱり色々と疲れていたので、基礎英語を聞く時に集中していなくても、毎日一定ペースでやっていた進研ゼミを今日はできないと言っても、私はそれで良しとしていました。

ルールは、赤ペンを期日までに必ず提出する、NHKの英語講座は放送時間に合わせて流すこれだけです。

こういうゆるさもずっと続けられた理由だと思っています。

 

4月にゆるめるともうそのままにずっとゆるみっぱなしになりそうで心配になるかもしれませんが、1年を通して考えてみると、勉強に集中できる時期と、集中できない時期というものが必ずあります。

 

切り替え上手で体力も有り余っている優秀な子もごくまれにいますが、多くの子はそうそう一度になんでもできるわけではありません。

そんな優秀な子と比べて同じことをやりなさいと言っても到底無理な話です。

うちはそういうのをはなからあきらめていたので、息子ができる無理のないペースでいつも考えていました。

(塾に通わなかった理由のひとつに夜まで体力が持たないというのもありました)

 

子どもにとって今がどういう時期なのか?勉強のことだけでなく生活全体をみてバランスをうまく調整してあげられるのは、親にしかできないことではないだろうかと思ったりしていました。

 

 

 

 

 

 

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