今日は、東大冠模試をふりかえってみようと思います。
ちょうど去年の今頃は、模試の年間計画が決まった時期でした。
受験学年の模試の計画は、かなり悩ましいものでした。
悩んでいたのは、模試の数多すぎ問題です。
共通テスト模試、記述模試、難関私大模試、東大冠模試。
更に頭を悩ませたのは、ドッキング判定です。
共テ模試と二次型の模試の両方を受けると、その二つの模試をドッキングさせた結果から合格判定を出すというもの。
さぁ、何を優先すべきか?
うちの場合は、冠模試をできるだけ受けるという方向に決めました。
冠模試を時系列でふりかえってみます。
<2023年>
2月 東 進 東大入試同日体験模試
6月 東 進 第1回 東大本番レベル模試
7月 代ゼミ 第1回 東大入試プレ
8月 河合塾 第1回 東大入試オープン
駿 台 第1回 東大入試実践模試
10月 東 進 第3回 東大本番レベル模試
河合塾 第2回 東大オープン
11月 駿 台 第2回 東大入試実践模試
代ゼミ 第2回 東大入試プレ
<2024年>
1月 東 進 最終本番レベル模試
2月 河合塾 東大本番プレテスト
こうやってみるといっぱい受けましたね。
模試は、2日間かけてやるものと、1日で全教科終わらせてしまうものと両方ありました。(東大二次試験の本番は2日間です)
受けられるものはほとんど受けたと思うのですが、東進の第2回本番レベル模試だけは受けませんでした。
この模試は8月だったのですが、日程的にちょっと厳しかったのと、これを受けると8月は冠模試が3回になってしまうのでやめようということで、受けませんでした。
もちろん冠模試以外の模試や学校の定期テストなんかも受けていたわけで、高3はとにかく試験、試験でした。
前にブログで高3の勉強時間が少なかったというようなことを書いたのですが、原因の1つにこの模試が沢山あったというのもあります。
模試ばかり受けていると勉強時間が減る、模試を受けすぎるべきではないというご意見もあると思います。
事実はその通りで、模試に時間を取られるから当然勉強時間が減ります。
ついでに言うと、息子は体力と気力が少ない子なので、冠模試を受けるとパワーを相当吸い取られます。
当日はもちろんのこと、翌日までその影響が残ることも珍しくない、冠模試を受ける度に疲れ切っていました。
では、こんなに受けない方が良かったのか?
私たち親子の答えはNOです。
これだけ受けて正解だったと思います。
勉強時間が減ることがわかっていても、模試を優先する判断をした理由を書いてみます。
まずは、息子の仕上がり具合。
息子は、高2の1月に東進の共通テスト同日模試、2月に東大入試同日体験を受けました。
この時のそれぞれの模試の結果、判定が満足できるものでした。
特に東大入試同日の方は、同じ志望科類の受験者の中で1桁順位、偏差値は70オーバーでした。
東大入試同日は、その名の通り東大の二次試験と全く同じ問題をやります。
採点は東進採点ではありますが、その結果からあと1年何をやるべきかがみえてきます。
息子の場合、足りないと思ったのは、現役生ならではの地歴の遅れ、あとは現代文でした。
そして、英語、数学、古文、漢文は順調にきていそうだということもわかりました。
こういう状況からみて模試に時間を使っても大丈夫そうだということがわかりました。
次に、息子の特徴です。
簡単にいうと、模試や試験をうけると成績がのびるタイプです。
これは高校受験の時も感じていたことです。
試験をうけた後に振り返りをするからというのももちろんなのですが、私の感覚的な表現で言うと、模試を受けることで脳が覚醒するというカンジです。
おそらく息子の勉強の中で、集中力が最大限に発揮されるのが、模試なんだと思います。
その状態で問題を解くというのが、息子にとっては頭の使い方、問題の解き方の力がつくということにつながっていたようです。
これは東大の2週間前に受けた併願私大入試の後に息子が言ってたのですが、私大の本番の英語の問題をやっていたら読解のスピードが明らかに上がったのを感じたそうです。
その日を境にそれまでとは全然違う、と言ってました。
もともと読解は速い方だったので、それ以上に速くなったというのに驚いたのですが。
おそらくそれは、そこまでに積み上げてきた勉強の成果ではあると思うのですが、集中力を一気に高める状況になったことで、自分の中にあるものをより速いスピードで処理する頭の使い方を手に入れたのではないかと、私はそれを聞いて思いました。
日常の集中力だけでは到達できない、模試や本番の時にしか得ることのできない集中力があって、その中が得るものがあるのだと感じていました。
スポーツ選手が試合をやることで強くなっていく、というようなものと同じなのかもしれません。
もうひとつ、起爆剤の役割です。
どうしても単調になりがちな受験生活の中で、成績というはっきりとしたデータで刺激を与えてくれます。
数字で出てくるからごまかしがきかないシビアな世界ではありますが、うまくいけば嬉しいし、うまくいかなければ悔しい。
そして1年を通じて、同じ東大を目指す受験生の中でそれぞれの科目や総合点で、どんな立ち位置にいるのかをチェックできます。
息子は大学受験の時は、やる気を保つのがなかなか難しくメンタルの上がり下がりも激しかったのですが、模試の結果が比較的いつも良かったので、模試の結果でメンタルを立て直したり、もう一度勉強を頑張ろうという起爆剤になりました。
また、本当に精神的に苦しい時期は、冠模試さえも怖くなっていた時があったのですが、そこを逃げずに超えたことも本番に役に立ったのではないかと今は思っています。
そんなわけで1年間、ノリノリの時も逃げ出そうとしていた時も、冠模試を受けまくりました。
先日、「最低限受けた方がいい東大模試はなんですか?」というご質問を頂きました。
私は、横で東大受験生をみていた親の立場として次のように答えさせてもらいました。
>.東大冠は、最低限だったら何がいいかと絞る考え方よりも、受けられる環境ならば1つでも多く受けた方がいいという意見になります。駿台、河合、東進、代ゼミ、可能なら全部です。息子は東進の1回を除いては全て受けているのですが、振り返ってみれば受けなくても良かったと思うものは無く、全部受けて良かったと思っています。ただもしもどうしても1つに絞らないといけないという条件だったら、うちなら河合のオープンを選ぶと思います。立ち位置確認や問題や採点の質を考えてです。
東大受験経験があるわけでもなく教育関係者でもないので、ただのお母さんとして、自分の息子に対してこう思っていたという意見で答えさせてもらいました。
東大の冠模試ってまず会場の問題があります。
全国で考えると会場の数がかなり少ないです。特に代ゼミの冠は会場が本当に少ない。
住んでいる地域によって受けやすい、非常に受けにくというのが出てくると思います。
また料金もそれなりに高い。
うちは駿台、河合、代ゼミは学校の団体割、東進はクーポンコードを使っていたので、正規料金で受けた模試は無かったのですが、それでも高いです。
(2月の模試は、河合塾は秋の東大プレを受けた人は割引価格、駿台Z会はZ会東大コース利用者は自宅受験受講の場合、無料でした)
1つでも多く受けた方がいいと思うと言うのは簡単ですが、実際に受けるとなると難しい条件ではあると思います。
それでも、いっぱい受けなくていいという意見でないのは、上にも書いた通り模試でつく力があると思っていたからというのもあります。
それ以外に思っていたのは、模試会社に色々違いがあるなと思っていたからです。
これは秋の冠模試の文系の受験者人数です。
東進本レ 983名
東大実践 3573名
東大オープン 3276名
東大プレ 602名
2024年入試の文系志願者数は3710名です。
ということは東大実践や東大オープンは、志願者の多くが受けているのでは?という予想がつきます。
(もちろんこの模試を受けて志願変更をしている人もいるし、受験はしないものの実力試しや趣味(?)として東大模試を受ける人もいるらしいですが)
あとは、上にも書いたように会場の場所の関係で受けられなかったり、別の模試と日程が被ったことでうけなかった、模試の数を絞ったという人もいるでしょう。
人数が多いとはいえ、河合だけ受ける人、駿台だけ受ける人も当然いるわけで、そうなると両方の模試で立ち位置を確認してそこから分析して得られることがあるのかなと思いました。
実際受けてみてわかったのは、A判定を出している人数の割合の違いで、河合、駿台、代ゼミで随分違うことがわかりました。
息子は、この3つの秋の模試でA判定とB判定とC判定を出しました。
判定だけみてるとバラバラでどれが本当?となるのですが、科目の点数の取り方や全体のどの立ち位置にいるのか、総得点の立ち位置とかそういうのを細かくみると、だいたいこれぐらいの位置にいるのだなというのがみえてきました。
1つの模試だけだったら、気がつけないことだったと思います。
また、それぞれの模試を夏と秋と両方で受けることで、息子の立ち位置の変化にも気がつきました。
1つだけならたまたまこうなのかと思ったかもしれないことでも、3つで比べるとなるほどと思うことがありました。(簡単にいうと、夏より秋が下がっているということがわかったことです。予想通りでしたが)
模試の分析なんてどうでもいい自分の勉強を頑張るだけという方にとっては模試の数は少なくてもいいのかもしれませんが、息子の場合は、模試の分析で次の手を考えることができたので多く受けたことに意味があったように思います。
また、ちょっと気になるのは、東進本レと東大プレ(代ゼミ)の受験者人数の少なさですよね。
代ゼミなんてそれしか受けてないんだから受けなくてもいいのでは?となりますよね。
息子もちょっとそんな感じではあったのですが、実際に代ゼミプレを受けてみると代ゼミが一番問題にクセがなくていいというようなことを言ってました。
息子の個人的な感想を聞いていただけですが。
模試の中では代ゼミの問題が一番好きだったようです。
(だからといって、出来が一番良かったわけではありません)
一方、駿台の方は、うーんちょっと、みたいに言うこともありました。特に地理はあまり納得していなかった様子、あと数学の難易度がかなり高かったりとか、でもやっぱり受験人数の多さを考えたら受けないわけにはいけない。
河合は、問題も標準的で採点もいいと言ってました。時々、採点が厳しくて、もうちょっと部分点くれてもいいのにとブツブツ言ってました。
東進は、採点がとか、問題がとか(別の会社の模試と問題が被っていたり)、まぁあったのですが、でも返却スピードの速さと、1月の共テあとに最終の模試をやってくれるありがたさは、他の会社とは比べられないものがありました。
というわけで4社の模試を全部受けていたというわけです。
東大の冠模試を受けた後は、、、
代ゼミの東大プレを受けると、「東大合格」のお札がもらえました。
本部ビル内にある神社のお札なのかな?
東進は、「東大合格体験記」の冊子をもらいました。
この冊子の存在は知っていて読んでみたいな、メルカリで買おうかななんて思っていたのですが、本レの結果をもらいに行った時に一緒に渡されたそうです。
息子はもらった時は読んでいなかったのですが、秋以降はよく読んでいたみたいです。
(勉強をサボって、、、)
あとは東大特進の特待生の認定が届きます。
A判定だと5教科分特待生料金、B判定だと4教科分特待生料金、そんな感じです。
東進は模試を受けるたびに東大特進の認定書と講座案内が届きました。
河合塾は、成績優秀者が載っている冊子がもらえます。A判定以上なのかな?ただ事前に掲載するかどうか確認があるので、名前を載せたくない場合は名前をのせないことも選べます。
同級生とか先輩とか、部活関係の知り合いとか、受験界隈の有名人とか、まぁ色々のってて面白かったです。(県名とカタカナフルネームがのります)
駿台は、、特にもらったものはなかったと思います。
模試のあとに、模試受験者対象の無料の模試解説講座があるものもありました。
会場で受けられるものもあったり、オンラインもあったり、息子もいくつか利用させてもらいました。
それから直前期にいきなり電話がかかってきて、直前講座の1講座分無料認定になりましたというのもありました。
その時の話です。
どこの予備校かはあえて書きませんが、冠模試でA判定を出していたところからでした。
あとは2月は自習室を自由に使えますというようなものもありました。
それから前期試験直後から4月の頭ぐらいまで予備校の入校案内も色々届きました。
おもに東大コースのもので、無試験で東大コースに入学とか、スカラシップの案内とかもらったように記憶してます。(あまりよく読んでいなかったけど)
このあたりまでが、冠模試からの一連の流れなのかなと思ったので書いてみました。
いつになく長い記事になってしまいましたが、最後にちょっとまとめ的なことを書いてみます。
この記事を読んでもらってわかる通り、まともに東大の冠模試を全部受けようと思っていると沢山の時間が必要になります。
模試の会場は遠かったり、試験が二日間あったり、模試を受けたあとは模試の見直し・振り返り、分析をしないといけないし、解説講座も受けたりするかもしれません。
そして冠模試は精神的にも肉体的にも削られてきます。
そうなると、当然勉強する時間はどんどん減るわけです。
冠模試以外にも共テの模試を受けようとか、全統模試、駿台全国記述受けようとかってなっていると、受験生の週末や夏休みはどんどん模試に消費されていきます。
さらに現役生は学校行事の体育祭や文化祭が週末にあったり、その準備なんかにも時間を奪われていくかもしれません。(夏まで部活があるという子もいるかも)
あとうちの息子のように高3でコロナに罹って勉強がストップするなんていうこともあるかもしれません。
高3生本当に忙しいし大変です。
高2までにどれだけ仕上げることができるか、これがとても大事になります。
勉強時間がたくさん必要な場合は、模試を削って勉強にまわさないといけません。
高3はびっくりするぐらい時間があっという間に過ぎるので、何が何でも現役と思うなら、早い時期からがんばることをおすすめします。
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